格安SIM用にSIMフリースマホを購入する時に、外出先でのデータ通信速度を重視する場合(ネットの快適さを重視する場合)は、SIMフリースマホの「対応バンド」を確認して、自分の地域で利用できる物を選ぶ必要があります。

が、スペック表で「対応バンド」が分かっても、「周波数帯」が分からなかったり、周波数帯が分かっても、ドコモのサービスエリア(地域毎のLTEが利用できる範囲が書かれたマップ)には「受信時最大速度」しか書かれてないので、結局「自分のエリアで快適にネットするにはどのバンド?」ってなる事があると思います。

ドコモのサービスエリアを見ても(「受信時最大速度」が分かっても)、快適な「対応バンド」が選べないって状態です。

これだと、SIMフリースマホはどれを選べば良いのか分かりづらくなります。

って事で、ちょっと長いんですが、自分の地域でLTEが快適なSIMフリースマホを選ぶのに必要な事を記載します。

ただ、LTEが繋がるならOKっていうのならば、「バンド1」と「バンド19」に対応していれば、その他の対応バンドの確認はあまり必要ないです。

「バンド1」と「バンド19」以外の対応バンドのエリアの確認は「データ通信速度がより快適になるかどうか」に影響するぐらいって感じです。

ここでいう「快適」は「LTEの中でも最大受信速度がより速い物が使える」って状態です。

「外出先での(Wifiじゃない状態での)ネットがより快適」って意味合いです。
(「CA対応端末」ってスペック表に記載されているSIMフリースマホや「LTE-Advanced対応」って記載されているスマホの場合。)

逆に言うと、「バンド1」と「バンド19」はドコモ回線の格安SIM会社でLTEを利用したい場合には必須レベルの「対応バンド」なので、SIMフリースマホを購入する時は最初に確認する様にして下さい。

結論

長いので、先に結論を記載します。

ドコモ回線の格安SIMでLTEを使いたい場合は、ドコモのLTE速度別サービスエリアで自分の行動範囲や行く地域の「受信時最大速度」を確認して、以下の「右辺」の「対応バンド」があるSIMフリースマホやドコモのスマホを購入すればOKです。

ドコモのLTE速度別サービスエリアの「受信時最大速度」の色分け=周波数帯=その速度で使える様にしたい場合にSIMフリースマホで必要になる「対応バンド」という形で記載しています。

  • 受信時最大75Mbpsのエリア=800MHz=バンド19
  • 受信時最大112.5Mbpsのエリア=2GHz=バンド1
  • 受信時最大112.5Mbpsのエリア=1.5GHz=バンド21
  • 受信時最大150Mbpsのエリア=1.7GHz=バンド3
  • 受信時最大187.5Mbpsのエリア=「バンド19+バンド1」
  • 受信時最大225Mbpsのエリア=「バンド21+バンド1」または「バンド19+バンド3」
  • 受信時最大262.5Mbpsのエリア=「バンド1+バンド3」
  • 受信時最大300Mbpsのエリア=「バンド1+バンド21+バンド19」

「」で+になっている複数のバンドは、全てのバンドがあって初めて「左辺」の受信時最大速度で利用できる様になります。

また、上記の複数のバンドの速度でLTEが使えるのは、上述した「CA対応端末」や「LTE-Advanced対応」のスマホです。

対応の可否は、そのスマホの仕様表で確認できます。

対応しているスマホは「CA対応」とか「LTE-Advanced対応」の様な文言が記載されています。

各種、格安SIM会社が利用している回線は以下の様になっています。

各社の使用回線と3GBの月額比較表

回線 格安SIM会社 音声3GBの月額
au UQモバイル 1980円
WiMAXと併用すると1680円
2回線目以降は1480円
ドコモまたはau

※au回線はSIMフリーVoLTE対応端末のみ
BIGLOBEモバイルを見る 1,600円
ドコモ OCN モバイル ONE 1,600円(110MB/日コース≒3GB/月)
ワイモバイル Y!mobileを見る 半年間:1980円
それ以降:2680円
(10分かけ放題付き)
おうち割(光回線と併用)で月500円割引
2回線目以降は、
半年間:1480円
それ以降:2180円
(10分かけ放題付き)
ドコモまたはau

※au回線はSIMフリーVoLTE対応端末のみ
IIJmioを見る 1,600円
ドコモまたはau 楽天モバイル 1,600円(3.1GB)
または
1年目:1480円/月
2年目:2980円/月
(10分かけ放題付)
のスーパーホーダイ
(2GB)

以下は、読む必要ないかもですが、何で上述の結論になるか、です。

各キャリアの周波数帯

各キャリアの周波数帯は以下の様になっています。

LTEで使用している周波数帯とバンド名

ドコモがLTEで使用している周波数帯とバンド名は以下です。

  • 2.0GHz帯=バンド1
  • 1.7GHz帯=バンド3
  • 1.5GHz帯=バンド21
  • 800MHz帯=バンド19
  • 700MHz帯=バンド28
  • 追記:3.5GHz帯=バンド42(新しい周波数帯です。)

auがLTEで使用している周波数帯とバンド名は以下です。

  • 2.0GHz帯=バンド1
  • 1.5GHz帯=バンド11
  • 800MHz帯=バンド18/26
  • 700MHz帯=バンド28
  • 追記:3.5GHz帯=バンド42(新しい周波数帯です。)

ソフトバンク(※Ymobile含む)がLTEで使用している周波数帯とバンド名は以下です。

  • 2.0GHz帯=バンド1
  • 1.7GHz帯=バンド3
  • 900MHz帯=バンド8
  • 追記:1.5GHz帯=バンド11(新しい周波数帯です。)
  • 追記:700MHz帯=バンド28(新しい周波数帯です。)
  • 追記:3.5GHz帯=バンド42(新しい周波数帯です。)

3Gで使用している周波数帯とバンド名

ドコモが3Gで使用している周波数帯とバンド名は以下です。

  • 2.0GHz帯=バンドI
  • 800MHz帯=バンドVI/XIX

auが3Gで使用している周波数帯とバンド名は以下です。

  • 2.0GHz帯=バンドクラス6
  • 800MHz帯=バンドクラス0

ソフトバンク(※ワイモバイル含む)が3Gで使用している周波数帯とバンド名は以下です。

  • 2.0GHz帯=バンドI
  • 1.7GHz帯=バンドIX
  • 900MHz帯=バンドVIII

各キャリアの通信方式

各キャリアの通信方式は以下です。

  • NTTドコモ:W-CDMA
  • KDDI(au):CDMA2000
  • ソフトバンク(※Y!mobile含む):W-CDMA

これらは総務省の資料で確認できます。

参考:PDF:各携帯電話事業者の通信方式・周波数帯|総務省

何でこんな資料を総務省が出しているかというと、各キャリアに割り当てる周波数帯は総務省が決定しているためです。

周波数帯域の概要|KDDIより引用

周波数帯域とは、電波の周波数の範囲のことで、電波の通り道のようなもの。周波数帯域によって特性が異なり、GHz帯のように周波数帯域が広いほど情報伝達量が多く、一度にたくさんのデータが送れる。一方、MHz帯のように低い周波数帯域は、電波が障害物の後ろに回り込んだり貫通したりでき、遠くまで届けられ、ひとつの基地局で遠方までカバーできる。そのため電波がつながりやすいMHz帯は、価値の高い周波数帯域(バンド)として「プラチナバンド」と呼ばれる。
携帯通信会社が利用できる周波数帯域は総務省に定められており、KDDIは700MHz、800MHz、1.5GHz、2.1GHzが割り当てられている。

各周波数帯の受信時最大速度

各周波数帯の受信時最大速度は以下です。

2GHz=受信時最大112.5Mbps
1.7GHz=受信時最大150Mbps
1.5GHz=受信時最大112.5Mbps
800MHz=受信時最大75Mbps

これらはドコモの資料で確認できます。

参考:PDF:ネットワーク説明会2015年9月15日|NTTドコモ
※2016年5月26日:↑最近見たらページが削除されていて見れなかったので、リンクを削除しました。

「受信時最大速度」を「バンド名」に変換

という事で、各バンドの受信時最大速度は、上述した総務省のPDFとドコモの資料を合わせると、以下の様になります。

  • 受信時最大75Mbps=800MHz=バンド19
  • 受信時最大112.5Mbps=2GHz=バンド1
  • 受信時最大112.5Mbps=1.5GHz=バンド21
  • 受信時最大150Mbps=1.7GHz=バンド3

ドコモの周波数帯にはもう1つ700MHzがあります。

700MHz帯=バンド28はKDDI(au)の説明部分とあわせて、たぶん受信時最大75Mbpsです。
(MHzでGHzと比較して少ない量しか一度には送れないので。)

ドコモのLTEの周波数帯に合致しているかどうかを確認

で、格安SIM会社は今の所ほとんどがドコモの周波数帯を使用しているため、自分が住んでいる地域のドコモのLTEの周波数帯に合致している「対応バンド」があるかどうかを確認しておくと、快適に使えるスマホなのかどうかが分かります。

自分が住んでいる所の「受信時最大速度」はドコモのサービスエリアで確認出来ます。

ドコモの4G LTE、3Gサービスエリアマップ|ドコモ

地域を選んで、「LTE速度別エリア」を見ます。

で、面倒なんですが、「対応バンド」では記載されていないので(そもそもドコモで買ったスマホの場合は「対応バンド」の確認は必要ないため。最適化されているので。)、「LTE速度別エリア」に記載されている「受信時最大速度」を「バンド名」に変換して、SIMフリースマホの「対応バンド」を見比べます。

で、ドコモの「LTE速度別エリア」を見ると以下の様に色分けされてます。

  • 受信時最大300Mbpsまたは262.5Mbpsのサービスエリア
  • 受信時最大225Mbpsまたは187.5Mbpsのサービスエリア
  • 受信時最大150Mbpsまたは112.5Mbpsのサービスエリア
  • 受信時最大75Mbpsまたは37.5Mbpsのサービスエリア

この数値が大きい物は、2つor3つのバンドの受信時最大速度を単純に足した物です。
(112.5Mbps+150Mbps=262.5Mbps、とか、112.5Mbps+75Mbps=187.5Mbpsとか。)

上のドコモのPDFにも記載がありますが、「キャリアアグリゲーション」って名称の物で、複数のバンドを束ねての利用(帯域幅を拡大して利用)で、最大受信速度を高められるって物です。

複数の周波数帯を組み合わせて使い、データ受信の最大通信速度を速くするって物です。

この「キャリアアグリゲーション」が上述した「CA対応端末」のCAです。

「LTE-Advanced」は必ずしもCAだけの事ではないですが、複数バンド使用のCAの意味合いで記載されている事もあります。

※「LTE-Advanced対応」は速度の速いLTE(次世代のLTE。)の利用に対応しているって意味合いです。

LTE-Advancedは、3G→LTE[4G]→LTE-Advancedって立ち位置です。

次世代のLTE(速度速いLTE)は、CA(複数バンド利用)だけではないので、言葉の意味合い的には「CA対応」ってよりも幅が広いです。

が、スペック表の文言の違いが、実際の利用に合わせて切り分けられているのかどうかに関してはよく分かりません。

速くなる周波数帯(対応バンド)組み合わせ

速くなる周波数帯(対応バンド)の組み合わせは以下の様になってます。(上のドコモの資料を参照)

  • 262.5Mbpsは2GHz(バンド1)と1.7GHz(バンド3)を一緒に使う
  • 225Mbpsは「1.5GHz(バンド21)と2GHz(バンド1)」または「800MHz(バンド19)と1.7GHz(バンド3)」を一緒に使う
  • 187.5Mbpsは800MHz(バンド19)と2GHz(バンド1)を一緒に使う

で、262.5Mbpsはこれも上のドコモのPDFに記載がありますが、この「組み合わせでLTEが速い物」は2015.9/25から東名阪で利用できる所があります。

東京周辺の県・名古屋周辺(愛知)の県・大阪周辺の県です。

具体的には「東京都、大阪府、京都府、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県、愛知県、岐阜県、三重県、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県、静岡県」

受信時最大速度300Mbpsは2GHz(バンド1)と1.5GHz(バンド21)と800MHz(バンド19)の3つを一緒に使う※って物です。

※参照:ドコモのPREMIUM 4G|docomo

LTE周波数帯を組み合わせての利用=「PREMIUM 4G」

この一緒に使って受信最大速度が速いLTEを総称して、「PREMIUM 4G」って名前になってます。

で、「PREMIUM 4G」が利用できるエリアは人が多く集まる所から拡大との事。

更に、iPhoneとAndroidで対応エリアが少し違います。

具体的なエリアはドコモのHPで確認できます。

「受信時最大速度」の組み合わせに合致する「対応バンド」があるかないか

なので、格安SIMで使うスマホを購入する場合は、

  1. サービスエリアのマップで、LTE(速度別エリア)を選び、
  2. 自分が住んでる地域で利用できる「受信時最大速度」を確認して、
  3. バンドの組み合わせを確認し、
  4. 購入予定のスマホが「CA対応」または「LTE-Advanced対応」のドコモ端末なのかどうかを確認し、
  5. 対応バンドが十分かどうかを確認する

と、LTEの中でも最大受信速度の速い「PREMIUM 4G」で使いやすくなります。

また、サービスエリアには後々の拡大予定のマップもあるので(速度別エリアを選択する所の下部分)それを加味するのもアリです。確認が面倒でなければ。

中でも、上述した「速度が速くなるバンドの組み合わせ」から考えると、「バンド1」と「バンド19」に対応しているのが大事って事になります。

組み合わせの片割れに1か19が入っているため。

通信速度を重要視している場合のスマホ購入のまとめ

という事で、通信速度を重要視している方が、スマホを購入する時にやるのは、

  1. SIMフリースマホにする場合は、まず「バンド1」「バンド19」に対応しているかどうかを確認する
  2. 187.5Mbps~300Mbpsで利用できる地域に住んでいるなら、「CA対応」または「LTE-Advanced対応」のスマホを選ぶ

という事になります。

SIMフリースマホにする場合は、「バンド1」「バンド19」で使えるSIMフリースマホを選び、その中からその他の部分(スペック、デザイン、重さ、薄さ)等で選ぶので、大きな問題はないです。

1と19は重要なバンドですし、SIMフリースマホには大概「対応バンド」が複数あるので、LTEで繋がるエリアは1、19以外にも大概あります。

CAやLTE-Advancedに対応しているドコモスマホにする事にした場合、そもそも最適化されているのでバンドを考える必要はほぼないです。

なので、「CA対応」の機種なのか、そうでないのか、を確認する事になります。

また、上述したのは今はドコモの回線を使用している格安SIM会社(MVNO)が多いため、この様にSIMフリースマホを選ぶという意味合いです。

後々格安SIM会社間で乗り換えたくなった時にも、利用できる所の選択肢がちゃんとあるため、今はこの様にドコモの対応バンドを基準に、SIMフリースマホを選びます。

今度どうなるか分かりませんが、au回線がかなり多くなってきたり、ソフトバンクの回線を利用する格安SIM会社が出てきた場合には、「SIMフリースマホ」を買う時も、auのサービスエリアに適した「対応バンド」があるSIMフリースマホ、ソフトバンクのサービスエリアに適した「対応バンド」があるSIMフリースマホを購入する必要があります。

更にその時には、ドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線、とかなり格安SIM会社の選択肢が多くなっていると思うので、そのSIMフリースマホを長く使うとか、回線をまたいで乗り換えるのも考えているという場合には、対応バンドも複数にする必要があります。
(※ただ、その場合もauは通信方式が他の二社と違うので、au一本の事を考えた「SIMフリースマホの購入」にするか、ドコモ・ソフトバンク間を考えた「SIMフリースマホの購入」かの二択になるのかも知れません。)

※追記:現在はドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線、それぞれ選択肢が出て来ました!

という事で、再度結論を出すと、ドコモ回線の格安SIM会社の利用で、外出先での通信速度を重視している場合は、ドコモのサービスエリアを見て、以下の右辺の「対応バンド」があるSIMフリースマホやドコモの中古スマホを購入するのが重要になってきます。

  • 受信時最大75Mbpsのエリア=800MHz=バンド19
  • 受信時最大112.5Mbpsのエリア=2GHz=バンド1
  • 受信時最大112.5Mbpsのエリア=1.5GHz=バンド21
  • 受信時最大150Mbpsのエリア=1.7GHz=バンド3
  • 受信時最大187.5Mbpsのエリア=「バンド19+バンド1」
  • 受信時最大225Mbpsのエリア=「バンド21+バンド1」または「バンド19+バンド3」
  • 受信時最大262.5Mbpsのエリア=「バンド1+バンド3」
  • 受信時最大300Mbpsのエリア=「バンド1+バンド21+バンド19」

また、格安SIM用にスマホを用意するには、SIMフリースマホや中古のスマホ(白ロム)だけでなく、「格安スマホ」にするって選択肢もあります。

格安スマホもSIMフリースマホの1つですが。

「格安スマホ」はスマホとSIMカードの利用がセットになっている物の事です。→格安スマホと格安SIMの違い

表に記載したSIM会社で販売されています。

音声1GBの月額 音声3GBの月額 格安スマホの販売がある
格安SIM会社
なし 1980円
WiMAXと併用すると1,680円
2回線目以降は1480円
UQモバイル
なし 1,600円 BIGLOBEモバイルを見る
なし 半年間1980円
それ以降は2680円
おうち割(光回線と併用)で2180円
2回線目以降は半年間1480円
それ以降は2180円
Y!mobile
なし 1,600円 IIJmioを見る
なし 1,600円(3.1GB)または
2GB(10かけ放題付)
1年目:1480円/月
2年目:2980円/月
楽天モバイル

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